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Apple Watchやゲノム解析とも連携――「クラウド型電子カルテ」をプラットフォームとする新しい

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IoTやウェアラブル機器の普及で広まりつつあるヘルスケアIT。しかし、そこで集まる生態データは電子カルテや医療で生かされていないのが、現状だ。@IT特集「ヘルスケアだけで終わらせない医療IT」ではヘルスケア/医療ITベンダーへのインタビューやイベントリポートなどから、個人のヘルスケアだけにとどまらない、医療に貢献できるヘルスケアITの形を探る。今回は、OSSの電子カルテである「OpenDolphin」の開発と提供を行っているライフサイエンス コンピューティングに、電子カルテの現状と、今後のビジョンを聞いた。

実際にOpenDolphinを使っている池袋ドルフィンクリニック(2015年6月1日開設)の様子

●「地域包括ケアシステム」を構成する重要な要素の一つ「電子カルテ」

 どの地域や場所に住んでいても、その人にとってふさわしい医療、介護サービスが受けられる「地域包括ケアシステム」の構築は、「高齢化先進国」である日本における喫緊の課題の一つになっている。

 地域包括ケアシステムにおいては、それぞれに役割を持った地域内の専門病院、医療機関、行政機関の間で、効率的に連携を行える環境作りが必要であり、その実現に当たってITに大きな期待が懸けられている。中でも地域包括ケアシステムを構成する重要な要素の一つと考えられているのが、患者の診療情報を電子化して保存し、複数のシステムで共有する「電子カルテ」だ。しかしながら、その普及は思うように進んでいないというのが現実のようだ。

 だが今後、この状況が急速に変化していく兆しも見え始めている。電子カルテの普及を加速させるキーワードとして、「クラウド」が浮上しているのだ。

 東京都豊島区に本社を置くライフサイエンス コンピューティング(以下、LSC)では、オープンソースソフトウエア(以下、OSS)の電子カルテシステム「OpenDolphin」などの開発と提供を行っている。同社にOpenDolphinを中心とした電子カルテシステムの現状と、今後のビジョンについて話を聞いた。

●日本発のOSS電子カルテ「OpenDolphin」とは

 OpenDolphinは、2000年に経済産業省が推進した「地域医療連携プロジェクト」の公募事業として開発された電子カルテシステム「eDolphin」を、2004年にOSS化したものだ。eDolphinは、診療データの相互交換のために策定されたXML定義「MML(Medical Markup Language)」に準拠したデータをサーバー上に保存し、複数のクライアント間で共有できるようにしたものだ。

 一足早く普及していた日医(日本医師会)標準の電子レセプト(処方箋発行や会計処理を行う)システム「ORCA」との接続が可能な点が、その特徴の一つだ。

 OpenDolphinの開発者は、現在LSCで取締役を務める皆川和史氏だ。皆川氏は、開発コンセプトとして「現場での使い勝手を考え、旧来のフォームベースの業務アプリ的なものではなく、柔軟性の高い電子ノートアプリ的な環境を目指した」と話す。

 OpenDolphinのクライアントは、Windowsだけではなく医療関係者にユーザーが多いMac上でも動作する。また現在では、iOSデバイス向けのクライアントソフト「SuperEHRTouch」「VisitTouch」の提供も同社が行っている。入力端末では、高精度な医療画像やテキストをユーザーの要件に合わせて柔軟にカルテ上に配置できる他、頻繁に入力する薬品名などの定型入力をワンタッチで行える「スタンプ機能」などが利用でき、使いやすさが高く評価されているという。

 OpenDolphinのライセンスはGNU GPL v3とされており、条件に従えば自由にプログラムの改変や再配布を行うことが可能だ。ソースコードはGitHub上で公開されている。JavaをベースとしたWildFly 8.2で動くプログラムで、Java EEでの開発経験があるエンジニアであれば、すぐにでもシステムの動作を試してみることができる。OSS化後も、セキュリティを意識したVPN上での動作や、クラウド化のための仮想化技術への対応など、継続的な機能追加が行われている。

 LSCでは、ORCAやPACS(医療画像処理システム)などと連携したOpenDolphinの構築、カスタマイズ、サポート、iOSデバイス向けクライアントなどを「OpenDolphin Pro」の名称で提供している。

 また、SI事業者やパッケージベンダーが、自社が提供する医療機関向けシステムの一部としてOpenDolphinを組み込んで提供するケースも増えているという。例えば、コニカミノルタは医療用画像オールインワンシステム「Unitea α(ユニティア アルファ)」に組み込んでいる。

 2014年からは、本来は個別に構築する必要があったサーバー環境をクラウドとして提供する「OpenDolphinクラウドZERO」と呼ばれるサービスも開始した。LSC、代表取締役社長の小林亮一氏は、このクラウドサービスが、電子カルテの普及拡大だけではなく「医療そのものの発展にも貢献できる可能性を持っている」と語る。

●「クラウド」のメリットに対する理解が電子カルテ普及の契機に

 「全国に10万ある開業医のうち、レセプトの電子化は約9割で行われているものの、電子カルテについては、まだ2割強」(LSC、営業本部本部長の中台倫之氏)というのが現状だ。原因は複数あるだろうが、中でも「一般的な開業医にとって、これまで電子カルテシステムの導入と運用にかかる負担が大き過ぎた」ことが大きな理由として挙げられる。

 従来、患者の診療データは「基本的に院内で保管する」ことが原則とされていた。つまり、電子カルテを導入する場合には、医療施設内に自前でサーバーを立て、そこにデータを保管することになる。そのサーバーの運用を、小規模な医療機関で独自に行うことが難しいのは明らかだ。導入業者にサポートを依頼するとしても、そのために掛かるコストは電子カルテ導入による効率化に見合うものではない。さらに、サーバーの設置スペースや電力コストも無視できないものになる。

 ただ近年では、そうした「原則」そのものに変化が起きているようだと小林氏は言う。

 「ここ数年、特に東日本大震災以降には、医療界のクラウドに対する考え方も大きく変わってきました。災害発生時のデータ保全の観点だけでなく、より現実的な問題として、サーバーのバックアップや故障対応、データ漏えいリスクの低減、電気代の削減といった観点からも、クラウドのメリットが理解されるようになっています。OpenDolphinクラウドは、従来電子カルテの導入が難しかった小規模な医療機関にも、広く使ってもらえるものになっています」(小林氏)

 実際、福島県の医療福祉情報ネットワーク「キビタン健康ネット」において、10施設の医療機関に「OpenDolphinクラウド」の導入が行われるなど、着実に実績も生まれつつある。

●クラウド上の診療データが医療の進歩に貢献できる可能性

 クラウド上で医療データを管理することが一般的になれば、それは単に「地域内の医療機関、行政機関での情報共有の効率化」以上の価値を生み出す可能性があると小林氏は指摘する。

 例えば、医師が処方した薬に対し、患者が「きちんと服用したか」「その薬が効いたか」「副作用があったか」といったフィードバックを、スマートフォンなどを通じてクリニックに送信する仕組みがあればどうだろう。その患者個人に合った、よりきめの細かい医療サービスの提供が可能になるだけではなく、そうしたデータが全国規模で大量に蓄積されることにより、より一般的に効果が高く副作用が少ない新薬の開発などにも役立てられるのではないかというわけだ。

 LSCは2015年6月1日に、医療法人社団清陽会と共同で豊島区の新区庁舎に「池袋ドルフィンクリニック」という医療施設を開設。ここでは、クラウド電子カルテシステムをベースにした、医療における新たなIT活用のトライアルをスタートしている。先ほど例として挙げた「診療内容に関する情報を患者に提供し、それに対するフィードバックを収集するiPhoneアプリ」についても、テスト運用を始めている。

 「次の段階では、Apple Watchなどのようなウェアラブルデバイスから収集したデータ(EHR、Electronic Health Records)を、診療システムに取り込む仕組みについても検討している」(皆川氏)という。また、ゲノム解析による「がん」の早期発見、治療と合わせて、そこで蓄積されたデータを新薬の開発、治験に活用するといった取り組みも進めていくという。

 クラウドなど、新たな情報技術に対する医療界の意識が変化しつつあるとはいえ、やはり医療業界は「医師法」「薬事法」など、さまざまな法律によって厳格なルールが定められている分野だ。そうした意味でもITによる医療情報の共有、活用を押し進めるためには「医療機関とIT企業、医師とIT技術者の連携、協力関係がさらに重要になってくる」と小林氏は言う。

 OpenDolphinでは、現在サポートするMMLに加え、世界標準のEHR規格である「ISO 13606」への対応も進めていく計画だ。「ISO 13606に対応することで、患者の医療データを、海外発のものを含む多様なシステムと共有しやすくなる」(皆川氏)という。また、OpenDolphinの海外への展開も、これまで以上に容易になるはずだ。

 小林氏は「日本の医療が、高品質、先進的であり続けるために、ITの力が不可欠であることは間違いない。クラウドベースの電子カルテは、そのプラットフォームとして重要な役割を果たすだろう。医療の可能性を広げる基盤技術としてOpenDolphinの開発と提供を続け、世界に貢献できるものに育てていきたい」と語った。

●次回は、医療向けのOSSが集結した勉強会

 今回紹介したOpenDolphinはOSSであることが大きな特徴であり、それにより大きな発展性を秘めている。同様に医療向けのOSSは電子カルテのみならず、多種多様なものが存在する。次回は、そんな医療向けのOSSが集結した勉強会の模様を紹介しよう。

●特集:ヘルスケアだけで終わらせない医療IT

IoTやウェアラブル機器の普及で広まりつつあるヘルスケアIT。しかし、そこで集まる生態データは電子カルテや医療で生かされていないのが、現状だ。本特集ではヘルスケア/医療ITベンダーへのインタビューやイベントリポートなどから、個人のヘルスケアだけにとどまらない、医療に貢献できるヘルスケアITの形を探る。

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引用:Apple Watchやゲノム解析とも連携――「クラウド型電子カルテ」をプラットフォームとする新しい「医療」の可能性



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