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【ダッグアウトの裏側】乱闘でもないのにベンチが空っぽになった。カブスの大物ルーキー、クリス・ブライアント三塁手が、9日(日本時間10日)のブルワーズ戦(ミルウォーキー)で3回に左中間へメジャー初アーチ。意気揚々とダイヤモンドを1周して引き揚げてくると、三塁ベンチから首脳陣や選手、トレーナーら裏方までいなくなっていた。
「新人はいろいろなことをされるけど、これはすごく笑えた。みんなで隠れていて、祝福してくれた。かなり手荒かったけどね」
生還直後、だれも出迎えてくれないことに気づいたブライアントは、ベンチ裏へ一直線。隠れていたジョー・マドン監督やチームメートからもみくちゃにされたという。
大リーグには、さまざまな“新人イジメ”の儀式がある。初本塁打の場合は、ベンチに戻ってきても全員で無視。しょんぼりと座ったところで祝福というパターンが多いが、今回のようにチーム全員で隠れてしまうのは新機軸。極端な守備シフトなど斬新な戦術を執るマドン監督らしいアイデアだ。
このブライアントは、米メディアが「スーパー・プロスペクト」と呼ぶ超有望株だ。右打ちで、身長196センチの大型三塁手。2013年ドラフト1巡目2位で指名され、マイナーでは計181試合で55本塁打を記録していた。
今季オープン戦でも全選手で最多の9本塁打をマークしたが、開幕メジャーは逃した。FA権取得を1年遅らせるため、フロントがマイナー落ちさせたと代理人のスコット・ボラス氏が批判するなど物議を醸した。
メジャー昇格から21試合目で出た待望の初アーチ。ブライアントにとって、これだけ本塁打が出なかったのは野球人生最長だったという。イケメンで、今季の新人王候補というよりもスーパースター候補。これから100本、200本と節目の本塁打を放つたびに、初アーチ直後にベンチが空っぽになった逸話が語り継がれるだろう。
■田代学(たしろ・まなぶ) サンケイスポーツ一般スポーツ担当部長。1991年入社。プロ野球や五輪担当などを経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会の理事や、13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。米国での愛称は「ガク」。フジテレビが発信するニュース専門チャンネル「ホウドウキョク」内の「さらのちゃんねる」に毎週金曜午前11時頃から出演中。